ハーモニィカレッジが掲げる「5つのカン」を育む事業の紹介をしていくシリーズ最終回。
当法人の理事長大堀貴士がお届けします。
ハーモニィカレッジの教育観に関する第1回目の配信はこちらからご覧になれます。
「5つのカン」
⑤ 幹:自分らしい軸を持つという意味のカン
ハーモニィカレッジの教育観⑤「観を育てる」
今回はハーモニィカレッジ教育観の5つ目「幹」について書きます。「幹」とは、自分らしい軸を持つという意味のカンです。自分らしい軸とは「こうあるべき」という自分ではなく、「こうありたい!」と思う自分を持つことです。そして、幹を育てるとは、人生の在り方を持って、自分らしく生きる力、自己実現に向かう力だと考えています。
私には、憧れの人がいました。深い愛情、広い視野、柔軟な捉え方、温かいまなざし、鋭い考察、そして確固たる軸を持った人でした。10年ほど一緒に暮らしましたが、感情的に怒るようなことやネガティブな発言をしたのを見たことがなく、悟りの境地に至っているのでは?と思うことすらありました。彼の口から出る言葉は、聞いた人をポジティブな気持ちにさせる言葉ばかり。「オレたちはホンモノを目指そう!」と言われ、いつも熱くなっていましたが、当時の私は“ホンモノ”がよくわかっていませんでした(汗)。
私が20代後半「歳を取りたくない」と思っていた時、その憧れのひろさん(ハーモニィカレッジ創設者)は50代、「学ぶって楽しいね!おじいちゃんになるのが楽しみだよ。体力や記憶力は落ちるけど、教育観や哲学、知識や経験が増えてどんどん深まっていく。いや~、歳を重ねるのは本当に楽しみだ!」と笑顔で話してくれました。初めてでした。歳を取る…いや“重ねる”のを楽しみにしている人に出会ったのが。そんな人生の先輩がいるだけで未来が明るく楽しみになり、歳を重ねてみたいと思えました。これがホンモノ!?乗馬、教育、アーティスト、モノづくり、起業家…あらゆる分野に、そして身近にもホンモノがいることに気付いていきました。
“ホンモノ”は、卓越した知識や経験、技術があるように見えても自分はまだまだと謙虚でいて、でも悲観的でなく、日々精進していました。誰かと比べず昨日よりも今日、今日よりも明日と自分が成長していることを噛みしめていました。努力というよりは子どものように何かに没頭して、無邪気な部分があり、人生そのものを楽しんでいました。ホンモノは完璧ではなく、不得意で不器用なこともたくさんあって、愛らしく個性的でカッコいい人たちだったのです。
命ある限り幹を太くし、伸び続ける大木のように思えました。その近くにいたらエネルギーが湧いてきて、背筋が伸びて、安心感があるのです。そんなホンモノが社会に溢れたら、子どもたちはきっと自分もあんな人になりたい、早く大人になりたいと希望が持てることでしょう。私もそんな大木になれるように幹を育て続けます。
~ホンモノは続く、続けるとホンモノになる~
教育者:東井義雄
大堀貴士
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